こんにちわYu-Riです。
凄いですよね。この論文をみたときはびっくりしました。
毎日1回の保湿剤でアトピーになる確率が下がるのは衝撃でした(アトピー予防)。意外に簡単なことで抑えられる可能性があるんですね。
もっと早く病院でも教えてくれれば良かったのに・・・・
今回はこの研究について書いてみます。
この結果は本当なの?
日本の世田谷区にある「国立成育医療研究センター」というところで、500床近くベッドがあり中~大規模な病院です。診療科も28科あり、特に小児医療に特化した病院ですね。
この論文のエビデンス(evidence;証拠)レベル
今年はコロナウイルスの関係で、ワクチン開発の話と相まって「エビデンス」って言葉も含め研究に関する横文字が多く聞かれるようになりました。
エビデンスレベルは簡単に言うと、その研究(論文)の信頼性が高いか低いのレベルのことを言います。

上の図は研究論文のエビデンスレベルを記したもので一番下はエビデンスレベルが低く(信頼性が低い)、上にいくほどエビデンスレベル(信頼性が高い)が高くなります。今回の研究論文はうえ 上の図は研究論文のエビデンスレベルを記したもので一番下はエビデンスレベルが低く(信頼性が低い)、上にいくほどエビデンスレベル(信頼性が高い)が高くなります。今回の論文はランダム化比較試験とコホート研究なので非常に信頼性が高い研究になります。
この論文の良い点
今回の研究論文のいいところが、海外での研究ではないので日本人の赤ちゃんに対して研究を行ったことですね。
海外のほうが研究が進んでいますが、日本人とは体質や生活環境など様々な違いあり研究通りではないこともある印象です。
しかし、今回は日本の赤ちゃんで結果が出たことなのでよち信頼でき、自分たちの赤ちゃんに直結する結果だと思います。
研究の概要
家族にアトピー性皮膚炎がある118名の新生児にワセリンを処方しました。介入群の59名の乳児には生後1週間から乳液タイプのエモリエント剤(保湿剤)を毎日1回塗布するように指導。
介入群が使用した保湿剤の1日あたりの平均量は7.86 ± 4.34 g。 対照群にも適用されたワセリンの1日あたりの平均量は0.101 ± 0.286 g(平均使用頻度、0.235 d /週)。
生後4、12、24、および32週目に、皮膚科医によってアトピー性皮膚炎、湿疹、掻痒のない発疹、または病変のない健康な皮膚の診断。

118人の乳児のうち、47人がアトピー性皮膚炎/乳児湿疹(介入群で19人および対照群で28人)
13人がかゆみのない発疹(介入群で6人、対照群で7人)
31人皮膚病変はなかった(介入群で20、対照群で11)
AD /湿疹以外の皮膚疾患に保湿剤を使用した乳児は5人(介入群2人、対照群3人)
その他10人の新生児が研究を辞めました(介入群6人、対照群4人)
乳液型の保湿剤によって引き起こされた皮膚炎(関連する有害事象)の結果であると思われる3人の乳児への投与を中止しました。速やかに皮膚は回復したが、再度塗っても同様の症状なく、32週目までアトピー性皮膚炎や湿疹もなかった。

保湿剤塗布した介入群は対照群と比較してアトピー性皮膚炎および湿疹の発症リスクが3割以上低下した。
「アトピーが予防できた」ってことです
介入群では、対照群で見られたものと比較して、12週目と24週目に下肢の角質層の水分補給レベルが有意に高かった。
アトピー性皮膚炎あるいは湿疹を発症した乳児では卵白に対するIgE抗体(アレルギー反応をおこす)が非常に高い値を示した。
卵白のアレルギーもアトピー皮膚炎あるいは湿疹に関係しているんですね。
わたしの子どもも卵白のアレルギーだったので、しっかり保湿しないといけなかったのかな
まとめ
生後1週目から32週目までの赤ちゃんに毎日1回、乳液タイプの保湿剤を塗布することで3割以上アトピー性皮膚炎や湿疹を抑えることができることですね。 卵白のアレルギーも抑える可能性があるみたいですね。
また、この研究は日本の赤ちゃんに行ったもので、しかもランダム化比較試験(ランダムに介入群と対照群にわけて)のため信頼性も高いってことですね。
この論文を読んだときはびっくりしました。やっぱり保湿は大事なんだなと思いました。ただ、この研究では1回であったのと家族歴がある赤ちゃんが対象なので家族歴がない赤ちゃんだと少し結果は変わる可能性もありますね。また、32週までなのでもう少し継続したら?、1日1回ですが塗布の回数を増やしたら?などは明らかになっていませんね。
アトピー予防・卵白アレルギー予防には新生児から毎日1回は乳液タイプの保湿剤を塗ることを忘れないようにしましょう